宝石とさよなら | ナノ


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整備はしてあるからと言われたがなかなかどうして立派な遺跡だった。
近づいても経年劣化に起因するくすみやひび割れなどはあるものの足元は頑丈であり、地面に手をつき微量にチャクラを流せばじわりと砂が濡れた。水もきちんと通っているらしい。
ここで一週間過ごすことになるが別段苦労もしなさそうで安心した。横に立つサソリには手の内は全部ばれているしいきなり屈んでも怪しまれることはない。ただ出身里の水道管理能力を舐めるなと文句を放たれたが。抜けても故郷への誇りはあるらしい。
「チャクラ量が多すぎ、無駄だろうが。もっと絞れ」
「おっさん小言うるさい」
重箱の隅をつつくような細かいソレを一蹴し、立ち上がって塔内に向かおうと一歩踏み出せば中からよく任務待機所にいる中忍が出迎えてくれた。

他人の気配に既に布を鼻にひっかけて顔を隠すサソリを一瞥すると「部屋は分けた方が?」と首を傾げられた。
傀儡だが素体の骨格から男だと判断し配慮をしてくれているらしいがそれに対し互いに興味ないことなどわかりきっている為「良いです」と即答する。

「寝床が二つある部屋ならどこでもいい」
一つで良くないだろうか、どうせお前は寝ないだろうと顔を向け無言で突っ込んだがその対象も無言のまま目で応えた。
ああ、サソリの正体がばれるのも良くないし一つのベッドで共に寝ると思われるのも確かに避けたい。
そのことにすぐ気付かなかったのは我愛羅君と一緒のベッドで寝ていたからだろうか。
そうだ、きっとそうに違いない。流石にこの歳で常識もわからないくらい呆けたとか涙も出ないしそういう事にしておこうとすべてを他人のせいにしナマエ小さく頷いた。それでお願いします。



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