宝石とさよなら | ナノ


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昨日一日かけて候補者の資料を漁った私たちは並んで第二会議室に座っていた。
今日はここで待機であるが、数が3ケタを超えることなんてないから手持無沙汰だろうと持ってきた傀儡を足元で浮かせた。
自分の身を守る為と、我愛羅君達の力になりたいが為に始めた修行だったが、おそらくキンコウさんの技が早さを求めるものじゃなければこの不気味な傀儡を使う修行なんてなかったのだろう。
隣でマジュちゃんが頬杖をつきながら私の隠れ修行を見ている、我愛羅君曰くチクマ班は仕事上手先が器用な者が多いと言うが彼女もなのだろうか。
視線を話すことはないのに一切口を出してこない彼女に居心地の悪さを感じ、中断して声をかけた。

「マジュちゃんも傀儡使えるの?」
「んー、一応砂の忍だし出来るけど……」

傀儡はパーツの方が好きなんだよねぇとマニアックな答えを返した彼女がちょっと貸してくれない?と私の手元にあったチヨ様の傀儡を指さす。
それに「あ、はいどうぞ」なんて気の利かない返し方をしてチャクラ糸をぷつりと切り、彼女に渡せばあろうことかいきなり分解を始めたのだった。

「ちょ、あ、待ってマジュちゃん!」
私直せないからと焦り制止をかけるものの、いつの間にかポーチから出していた工具を使い、慣れた手つきで腹を開けた。

「ああ、やっぱり……、チヨバア様」
「……えっと?」
一人勝手に納得している彼女に聞き返そうかと迷っていれば、本日最初の志望者が会議室のドアを開けたため、傀儡を足元に置いて書類を取り出したのだった。


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