宝石とさよなら | ナノ


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とりあえず木の葉にひと月滞在して、それから砂へとナマエを連れて帰れることになった。
正直明日にでも自分と一緒に連れて行きたかったのだが、ここで摩擦を起こすのも面倒だ。
風影になって随分融通が利くようにはなったが国を優先させなければいけないのは少しつらい。父さまはその辺はうまくやっていたらしいが。
「勝手に砂に連れ帰るなんて言ったが、お前は良いのか?」
「我愛羅君がいるんでしょ?それにひと月しかいなかったけどあっちの暮らしは慣れてるもの」
カンクロウ君やテマリちゃんにも会えるから楽しみだな。キンコウさん達は元気かななんて旧知の知り合いを浮かべ燥ぐ。
オレがあいつらを殺したことを知らない、後でなんか考えておかないといけないな。

「綱手、滞在先はどこにする気だ」
仕事も充てはあるんだろうとナマエの意識を変えさせるために聞く。思惑通り今後の身の振り方を聞こうと改めて背筋を伸ばしている。
里内で、さらに綱手の目の届くところには置くと思うが流石に補佐なんて物を部外者にやらせるわけにはいかないだろう。
だからと言って上層部が危険とみなしている人間を里内に放り投げるわけがない。それにお金にもうるさいから何らかの仕事を配分させるはずだ。
「アカデミーの臨時教師」
「は?」
コイツはチャクラがないどころか体力もなければ忍具すらまともに扱えないぞ、何を考えているんだと怪訝な顔をしてやった。
大方めんどくさくて思索していたところに入ってきた依頼だったのだろうが。
そうだったな、お前はアカデミーを知らないんだったか、筆記テストの答え合わせとか事務などは一般でも出来るものだし結構忙しいんだ。
退屈しなそうだろう?などと茶目っ気のたっぷり含まれた巧咲を送られた。ナマエも何となく未来の自分が見えてしまったのか痙笑する。
「それで滞在先は、コイツが護衛につくことになった」

「ヤマトです」
綱手の隣に瞬身を使い現れた猫目の男、上忍のベストを着ているからそれなりの手練れをやってくれたらしいが、本当に上忍なのだろうか。
よろしく、とヤマトと名乗った男が握手をしようとナマエに近づいたのでパシリと手を払ってやった。ナマエも伸ばさなくていい。
「リーじゃないのか」
「リーはよほどお前からの信頼を得ているらしいな」
「胡散臭い」
「はは、ボク嫌われてますね」
いいや、ただ修行バカなあいつの方が安心できるだけだ。
応対しようとした対象の腕が降ろされてしまい宙に不自然に浮いたナマエの手もまた膝に落ちた。


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