月が太陽に照らされて、輝いて見えるように、宇宙空間にある星の燃えカスである宇宙塵の中でも、水素元素が多く集まったものを星間雲。その星間雲は、近くにある、明るい恒星の光を受けて、輝く。その星間雲は、とても綺麗な光を放つ。それを散光星雲という。
小さい頃からお星様を見る習慣があった。優しいお母さんが、星が大好きだったから。お母さんはお星様のお話しをしてくれる。成長した今ではないとわからない難しい話も、お母さんがすれば、魔法のように簡単なお話しになる。
辛いこと、悲しいこと、泣きたくなった時、お星様を見れば、自分のちっぽけさを思い知らされて、笑ってしまうの。こんなに沢山の星々が、遠く遠く、自分では考えられない程離れた所から光を送って見守ってくれている。死んだら人は星になるだなんておとぎ話がある。だから幼い頃、自分は星を見上げれば、お母さんがいると思った。沢山の星たちと一緒にお母さんがいる。そう思うと、強くなれるのだ。
「そういえば、最近天体観測なんてしなくなったかも」
フェアリーテイルのルーシィは、自室のソファに座り、ポツリと呟いた。
天体観測。それはルーシィ・ハートフィリアの趣味の一つだった。自分に天文学を教えてくれた家庭教師の先生と共に、もしくは一人で、立派な天体望遠鏡を覗き込む。
「天体観測ぅ?」
「星を見ることだよ。ナツ」
「んなの流石に知ってるっつうの!」
「意外ね、ナツ」
星霊魔導師になって、家を出て、妖精の尻尾へ来て、色々なことがあった。時々空も見上げた。でも、ゆっくりと星を眺めるなんてことは、少なくなってしまったかもしれない。
どうして少なくなってしまったのか、そんなの、明らかすぎること。隣でソファに寛ぐナツと、羽根を羽ばたかせながらお菓子を食べるハッピーのせいだ。
フェアリーテイルのルーシィになった自分は、いつだって幸せで、満ち足りている。
「イグニールとよく星を見てたんだよ」
「なるほどね。ドラゴンてとても博学だって、この間読んだ本に書いてあったわ」
「本もなにも、ドラゴンはほんっとすげぇんだからな!」
そうしてイグニールがいかに凄いドラゴンで、自分に教えてくれた物を話すナツ。自分の育ててくれたイグニールが、本当大好きなのだな。とルーシィはナツを見て、微笑ましくなった。自分がお母さんに、沢山のことを教えてもらったように、ナツもイグニールに、沢山のことを教えてもらったんだ。しかもその一つが、一緒に星を見ることなのだ。なんだか、とても素敵なことじゃない?
小さな星屑の私でも
君と一緒なら怖くない
みんなと一緒なら大丈夫
ほら大きな恒星も
照らしてくれてる
「ねぇ、一緒に天体観測しよっか」