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 リタ・モルディオという天才少女は、幼い頃から一人で、ただ唯一頼れる自分の脳と唯一信用できる魔動器により生きてきた。外部との接触もせず、ただひたすら、生きてきた。しかし、突然やってきたヤクザのような長髪の男とその愛犬、そして明らかにどこかのお姫様にその他ちびやらなにやらの一行に混ざることにより、今までは研究と城のつまらない要請以外人と関わってこなかったリタが、齢15にしてやっと仲間とよべる人ができた。


 その中に俺という胡散臭いおっさんがいるだけでレイヴンは満足だったし、それ以上求めるだなんてふざけた話だった。力強い彼女は、あくまでも立って歩けと背を押して、我が身の心臓魔導器を生き長らえらせてくれる正義感に溢れちょっとツンデレな可愛らしい少女で、自分にとっては娘くらいの存在であるべきだ。

「まったく、整備しにこいっていってるのに、手紙描いても適当にごまかしてこないし、ふざけんじゃないってのよ。」

ぶつぶつと言いながらこちらに向かってくる少女は、もう少女じゃなかった。少し見ない間に身長は伸び、髪もどうやら伸ばし、白い肌に整った可愛らしい顔に男どもは振り向く。




















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「私がどんだけ心配したと思ってんのよ!」
泣きそうな顔で言われて、彼女の恋心と自分の気持ちをどうにか見てみぬふりしてきたのに、もう無理でした。



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