繋がらない星座を描く

 夜。自室のベッドの上で明日の事を意気込んで眠るのが俺の日課だ。大抵心身疲れてぐっすり眠れることが多いのだが、ここ数日、眠れないでいる。原因は分かっているのだが、解決策はない。
「バカヒロト」
虚しく真夜中の暗い部屋で呟いている俺は実に女々しいと思う。原因、それはヒロトからの連絡が途絶えたこと。おかしいのだ。俺が鬱陶しく感じる程連絡を欠かすことのなかったヒロトから連絡がないだなんて。
考えてゆく内にどんどんとマイナス思考になっていく。ヒロトは誰にでも優しくて秘密事も上手いし格好いいから他にもっと興味のある人が出来て、いつまでも追い付けなくて会えない俺に愛想を尽かして、乗り換えて浮気とかしてるんじゃないかって、凄くヒロトに失礼な不安ばかり抱いてしまう。
(そんなに不安なら自分から連絡を入れればいいじゃないか)そうは思うけど、ヒロトとのメールは俺が近況を伝えてヒロトも頑張れと書いて以来返信がないし、電話だっていつもいつもヒロトからだから、やっぱり自分から掛けるのは凄く気がひける。
悶々と悩んで寝不足に陥って、日々の練習も疲労感が早く回るし、学校の授業も寝てしまうことが多くなっていて本当に最悪だ。
「バカヒロト」
そう呟くことしか出来ない俺は本当に女々しい。今日も眠れなくて、片手の携帯電話の今までの履歴を見たりして過ごすわけで、本当に女々しい。



「ごめん」
一週間ぶりのヒロトの声一つで、俺は涙が出てきて平静を装うのが大変だった。どうやらヒロトは一週間、電波の全く通じない所で特訓をする羽目になって、連絡が取れなかったそうだ。俺はその事実に安堵し、同時にやっぱり選ばれた人はそんな凄い練習をしているんだと羨ましくなってしまった。
 (遠い空の下にいる)と身を持って感じた一週間。これが遠距離恋愛というのかと感じて不安になった。けれどこれ以上女々しくなるのは嫌なので、俺はもっと頑張ろうとより思って、その日は熟睡した。





繋がらない星座を描く
いつか必ず繋がると信じているから


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