差し出される手(緑川と基山)

ヒロトはお父様の一番のお気に入りで、サッカーが昔からピカイチうまくて、カッコいい。俺はみんなの後ろを追いかけて追いかけて、なんとかレーゼとしてキャプテンを勤めたけど結局負けて、いつのまにかエイリア学園なんて崩壊して、昔みたいに楽しくサッカーみんなですることできて、ヒロトとも前みたいな主従なくなって、そして届いた日本代表候補としてのチケット。
ヒロトが雷門へ出かける日、俺もこっそり雷門へ出掛けてドキドキした。その日までヒロトには言ってなかったんだ。『もうレーゼじゃないよ。俺は緑川リュウジ!』宣言した自分に自分でドキドキした。ヒロトは驚いてくれたかな。もう誰にもセカンドランクだなんて言われたくない、強くありたい、ヒロトと並びだい。

「はあはあ、畜生・・・!!」

日本代表として残るために、俺は何でもやりたかった、だから沢山練習をする。どうしてそこまで執着するのか、それは元々負けず嫌いなのと、もうおいていかれたくないからで。

「緑川」
「・・・ヒロト・・・」

気づけば雨が降っていて、俺は泥だらけで、ヒロトは俺に手を差し伸べていた。

「風邪ひくよ。リュウジ」







差し出される手
(昔もよく、こんなふうに)












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ずっと僕の背中を追いかける君が愛しくて


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