愛をひとつ、優しくくれた

※出会い捏造


小さい頃捨てられた僕達は少なからず心の傷があるし、どこか精神に異常があってもおかしくないだなんて医者に言われたりもする。どこか歪んでしまっている僕達だけど、それでもまだ子供で、仲間がいる。お父さまがいる。

「また新しい子が入ってきましたよ。ほら、恥ずかしがらないで、大丈夫ですよ?」
「・・・み、緑川・・・リュウジです」

クリッとした大きな黒目の切れ長の目元。やわらかい黄緑色の少し長い髪。彼の第一印象は"可愛い"だった。恥ずかしそうに、自信なさそうに恐々と震える身体。きっと素直な子なんだろう。

「緑川リュウジくん?」

手を差し伸べて笑った。僕はこの場所での古株。そしてお父さまのお気に入り。当然のように彼の所謂世話係に立候補してすぐさま決まる。

「僕はヒロトだよ。これからよろしく」








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大切なものが、またひとつ増えた


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