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富松作兵衛。といったらべらんめえ口調の用具委員で迷子の保護者と有名である。迷子というのは彼の同じクラスの決断力馬鹿の神崎左門と、無自覚方向音痴の次屋三之助のことだ。
とくに無自覚方向音痴の三之助は、自覚している左門と違ってたちが悪いと、富松作兵衛は常々思っている。

(全く改善しようする気がないのだ。)

おまけに三之助は作兵衛よりも身長が高く、悔しいことに力もなかなか強い。伊達に体育委員会でしごかれてるわけじゃないのだ。

「三之助、本当に自覚してくれ・・・」
「?、自覚て何を?」

何度繰り返せばいいかわからない会話をする2人。「迷子だよ!方向音痴なんだよてめえは・・・!!!」大きな声で叫ぶと何故か涙が出そうになる作兵衛。そんな作兵衛を三之助は見据えて、少し溜まった涙に指をのばした。

「俺はあんまり問題ないと思うんだ」
「はあ?」
「だって、作兵衛がいるから」

作兵衛は整然と言い放った三之助を見つめた。(なんだこのべらぼう野郎、わけわかんねぇ。俺がいなかったらどうするんだ)益々涙が出そうにになる作兵衛は、突然三之助に抱きしめられ、やはり涙が溢れ出てしまった。





















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泣いてる作兵衛はめちゃくちゃ可愛い



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