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自分は興味を持ったことしか集中できない。一旦嵌ると深く深く、地の底へ天の空が見えなくなるまで潜るのが好きだ。以前仙蔵にそう言ったら"悪趣味"と言われたが、そういう仙蔵もたいがいだと思う。

「また落ちましたねぇ」

緩く伸ばした「大成功」という言葉と共に頭上に現れた2つ下の後輩は、穴の中に落ちた獲物を楽しそうに見つめる。

「趣味なんですか?」

獲物である自分はため息をつきながら「そんなわけないだろう!」と天高く頭上の光の先にいる綾部喜八郎に叫ぶ。潜るのは好きだが、落とされるのはけして趣味ではない。たまたまよく落ちてしまうだけだ。たまたま

きっと喜八郎は助けてはくれないだろう。彼と自分はよく似ているのだ。

「今度怪我してきたら容赦しないぞ」
「悪趣味ですねぇ」
「君も大概だよ」

人をいたぶり弄ぶのが好きなのだから














あなたに愛される人は大変ですね



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