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高級な作り物のように整った綺麗な顔。雪のように白い肌。それだけでも俺達の学年の中だけでなく校内中で有名になった。「しかも成績優秀らしい!」「容姿端麗で成績優秀かよ!」そうして次第に彼の毒虫好きの件でまた盛り上がり、作法委員よりも美しい顔をした生物委員という認識でおさまる。毒虫で引くようじゃ忍者になれないと思うから、俺は確かに気持ち悪いとか思う時があっても、彼がなんでこんなにも生き物、しかも毒虫や蛇が好きで大切なのか興味がわいた。

「傷、増えたな」
「三之助こそ随分とあるじゃないか、流石体育委員会だな」
「いや、俺のは確かに多いかもしれないけど、治るだろ?」
「・・・」

孫兵のつける傷は大抵が跡が残るものばかりだ。三年も経つし仲良しな友達と、一応いえる(孫兵はどういうか知らないが)くらいにはなったい組の秀才の彼が、毒虫を育成したり躾たりする過程でつけた傷が、消えないことくらい知っている。

「孫兵の肌、綺麗なのに勿体無いよなあ。」
「忍者が綺麗なのを気にしてどうするんだ。・・・まぁたしかに色を使う時には役立つか。でもな、僕はこの傷が残るのが寧ろ嬉しい。」

ポカンととんでもない発言に呆けているうちに、彼は綺麗な顔を一層に綺麗にして続けた。

「精一杯大切な彼らを育てることによって受けた傷だ、僕にとっては名誉の傷みたいなものさ。大切な彼らから受けた傷だ、全然痛くない」

大切な彼らとは勿論孫兵が世話をしている毒虫たちであって、俺はなんだか自分がちっぽけに感じた。それでも俺は、孫兵に傷の跡が増えるのが嫌だった。逆に、その大切な彼らが羨ましかったんだ。



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