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次屋三之助は変な奴だと思う。いや、周りにいる奴変な奴ばかりだし、自分ももしかしたらその部類に入るんだけどもだがしかし。そんな風に富松作兵衛は悩んでいた。

(わからない奴)

まあ優しいし常識もある。そう呟く声もあるが、何故だろうか。四六時中一緒にいるとも言えるのに、たまによくわからなくなるのだ。
「三之助?そうだな、結構単純じゃないか?」
「・・・ううん、そうかもしんねぇ」
「作兵衛は三之助に頭を悩ましてることが一番多いな」
相談した伊賀崎孫兵に、自分でもあまり気にとめなかった事実につい恥ずかしくなる。なんだかまるで三之助のことばかり考えてる乙女のように自分が思えたからだ。
「お前は考えても酷い妄想が多いからな、悩んでも無駄だろう」
「うっ」
サラリと痛い所をつかれ、やはり孫兵は怖いと思いながらも、作兵衛は感謝した。なんだか馬鹿らしく思えてきたのだ。


「作兵衛〜?」
「噂をすればだな」
三年長家の縁側で寛ぐ二人の元に、泥だらけでやってきた三之助は直ぐに作兵衛に飛び付いた。
「おわっ、お前飛びつくなよ!吃驚するだろ?!」
「まじ疲れた。いけどん消えろ・・・」
どうやらまた体育委員長にひきずり回されたらしい、三之助を送ったらしい四郎兵衛が挨拶をして出て行った。
「じゃあ僕もいくよ」
「孫兵!ありがとう」







「ありがとう?」
「相談きいてもらったんだよ」
「へぇ、俺にはしてくれないんだ」
「んなっ。お前の相談してたんだよ!」
「俺?」
「え、あ、いやそれはそのなんてゆうか・・・」
「作、可愛い」
「はあ?!」
ホントこいつわけわかんねぇと内心盛大に叫ぶ作兵衛。相談の内容を聞きたがる三之助に「ぜってー教えねぇ」と意地になるが、最後には折れるのが富松作兵衛。





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(案外もう知っているんじゃない?)
(でももっと知りたい!)



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