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※卒業後
『あちらの方の城にいる七松という忍者が凄いらしい。』そんな噂が届いた。南蛮からある城主と共に帰ったばかりの中在家長次は、七松・・・七松小平太がちゃんと忍者をしているようだとわかって深く安堵したのだが。
「・・・・・」
「・・・・・」
沈黙だけのやり取り。そうここは合戦場。中在家長次は南蛮から帰り暫くした頃に、七松小平太が属する城と敵対したのだ。そして出会ってしまった。
中在家長次は堪らなく、酷く悲しかった。何故なら小平太は自分が想像してしまった悪い想定の方に少なからず進んでいたのだ。「一体何人殺した?」小さく呟く。血にまみれた忍者服に身を包みそれを笑う彼の姿は怖ろしい。そしてそれと同時に酷く悲しい。
「帰ってこい」
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初めて声をあげて泣きました。