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※学パロ、ネタ的にCCさくらパロかも

何をどうして何故こんなことになったのか。シュウは持っていた飲み干した缶コーヒーを見事に握り潰し、ゴミ箱へいつもより乱暴に入れた。いつもなら綺麗だと見える高台に立つ学校からの夕日も、自分をあざ笑っているように見える。
「あ!見つけた!」
「シュウさまー!!衣装合わせしますよぉおお!!!」
君たちは僕のことを男性としてファンだったんじゃないのかい?とシュウは今までの女子生徒への甘い見解に苦笑いした。シュウファンクラブを名乗る集団に属する子たちのはずだが、彼女らの手元には自分が着ることになる可愛らしいドレス。










話は少し前に遡る。

この学園では毎年クラス対抗演劇祭なんてものが催され、オリジナルの現代劇から古風な定番の童話などの劇をどの学年のどのクラスも行う。さてなんの劇をしようかということで、担任のサオリが去年は現代劇したしたまには定番をと眠り姫を提案してきた。そして副担任のハーリーが配役はアミダでしましょう!だなんて楽しそうにでっかい紙をもちだしてアミダの線をひっぱった。シュウはなんとなく嫌な予感がし、結果、見事お姫様の座を獲得したのであった!
「私が王子様?!で、できるかな」
「……」
シュウが不機嫌になったのは言うまでもない。クラスメイトからはにやにやと期待と嘲笑の眼差し、肝心のハルカはというと「シュウは綺麗だから物凄い綺麗なお姫様になるかも・・・!シュウに釣り合うように頑張らなきゃ」なんて酷いことをいいさっそく台本と必死に格闘を始めたのだ。なんで誰も男女逆なことに突っ込まないと一人心の中で突っ込み意気消沈したのはいうまでもない。









それからというもの、シュウは毎日学校に来るのが憂鬱になった。しかしまあ途中辞退なんていうのもシュウのプライドからすればとても癪なので、シュウは腹を括り、女も羨むほど美しく、かつ素晴らしい演技力を見せつけた。
「キスシーンいきまーす!」
「え?」
赤面するハルカに眠り姫のシュウは目をつむりながら内心ドキドキしていた。しかしいつまでも動きださずセリフを間違え、「む、むりかもーーー!」と教室から逃げ出した可愛らしい王子様。難航したその日の練習は終わりとなった。
「あんたたちならキスなんて余裕だと思ったのに。付き合ってるんでしょ?」
勇ましい、君が王子様やってもよかったかもねというくらいカッコいい女子ノゾミが、監督としてイライラしながらシュウにつっかかってきた。
「いや、付き合ってないよ」
「はああ?!うっそおお?!」
「……」
「ともかくあんたなんとかしてハルカにキスできるように練習してきなさい」
そう言われシュウは教室を追い出された。


















まあ当然キスシーンの練習して甘々なんだろうけど砂糖吐くんでここまで。本番につよい2人なら本番はきっと完璧だよ!それまでにどんなに激しい練習があったかは想像にまかせるね!まあ私はシュウに女装してほしかっただけなんだ!!



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テーマ「人外ファンタジー」
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