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「早く吹っ切れた方がいいんじゃない?」
「せっかく可愛いのに勿体無い。」
「エアリスならそんな男よりいい男見つけられるって!」



いつもと変わらない穏やかな日々、それでも時間だけは確実に過ぎ去ってゆくのだ。
そのことに気付いたのは、私の周りの人たちが初めの頃はそっとしておいてくれたのに、だんだんと口を開いてはそんなことを言うようになってから。


花を見て、上を見上げて、デコボコ道を歩いて、公園でない空を思い描いて、また眠る。私は毎日のようにそれを繰り返しては、活き活きとした彼の声、楽しまそうと話す彼の言葉や、太陽みたいな笑顔に時々真剣になる彼の空よりも透き通る眼差しを、空を見たこともないのに思い描いて、思い出して、ついさっきまでそこにいたんじゃないか、いるんじゃないかって振りかえる。


「君一人?フリー?可愛いからやっぱりいる?フリーならさ、試しに俺と付き合わない?」


ほらまた。
ザックスがぼんやりしてると私他の男に取られちゃうんだから!と溜息をついて。


「残念ながら、つよーいソルジャーさんが私にはいるの。しょうもない人だけどね?そんな私より、お花はいかが?」


と笑顔でお花を売る。ここの所売上は上々、お財布が溜まってきたから、新しいお花の種と、それに・・・素敵なピンクのワンピースを見つけたから、買っちゃおうかな?て思ってる。

『会うときに、例えばエアリスがピンクの服を着てる!とか。』
『なにそれ。』
『笑うなよ〜。』
『ザックスってピンクの服着た女の子が好みなの〜?』
『いや、別にそういうわけじゃ。」
『じゃあまたなんで?』
『そんな大した理由は』
『目が泳いでるぞザックス君?』
『・・・エアリスにさ、似合うと思って。』

凄い。さっきのことみたいに思い出せるよ?私の記憶力って凄いね。
電話しても出てくれなくない。手紙を書いてもどこにいるかわからない。あなたが言っていた通りにしてる。
こんなに私みたいな可愛い子に思われてるんだよ。

「これくらいで泣くなエアリス!」

そう自分に言い聞かせて、全部全部ザックスのせいにして、




私は待ってます。
君のためならいつまでもいつまでも














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ザックスに乾杯!



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