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恋をすると人は変わるらしい。
どこかで聞いたそんな少し浮ついた事を思い出したのはつい先日、騎士団でトンクスがリーマスに異様な反応を示し、俺ですらトンクスがリーマスに恋をしているのだろうと気付いたらからだ。
「リーマスに、ねぇ」
トンクスは快活で可愛らしく、なかなか派手でサバサバしている。そんな自分の血縁関係にあたるトンクスが恋をした相手は自分の大親友リーマスだそうで。これは応援してやるべきなのだろう。

「なぁリーマス」
「なぁにシリウス」
と思ったが、やっぱり少しだけ気が変わった。心内では応援はする。だがキューピットは御免だ。
「リーマスてそういや初恋とかあんのか?」
「いいなぁって思ったことはあったけど、みんな君の彼女だよ」
「・・・・ごめんなさい」
若気の至りはよくない。でも一応俺の言い分くらいは言わしてくれ、付き合ったとしても全部向こうからだし、酷いときは薬まで盛られたんだから、ある程度マシな女子とつき合っといて適当に別れたり女癖が悪いって噂が流れた方がめんどくさくなくて楽だったんだよってことを。
「逆に聞くけど、シリウスは初恋あるの?」
「・・・・・・」
「やっぱり、ないんだ」
呆れたように笑うリーマスに俺はいたたまれなくなる。そうだよ。いませんよ。女とどうこうなんかより、俺はお前等と馬鹿やるほうが何倍も楽しくて幸せだと思ってたんだ。
「強いていうなら」
恋は盲目』ならばこれも、恋と呼べるんじゃないだろうか。
「リーマス」






















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愛に昇華した恋は、お前の幸せだけを望んでいる。狼男も子供がいたっていいだろう?なぁ、テディ



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