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『進路調査書』
そんなものが配れた七年生の初め。可笑しいのは別に出さなくてもいいなんていう先生からの話。(仕方ない)(当然さ)(言われなくても出さないけどな)だなんて学友達の筆談に苦笑する。
ヴォルデモートだなんて物騒な人物が有名になってきて、外の世界は身の毛がよだつような話をきく。それが原因で生徒たちの中には実家に帰るだなんて人が結構いる。また、もう既に闇に墜ちている人だっているだろう。だから、あの薄っぺらい紙を提出するのは魔法省とかに勤務を志望して、ほぼ約束されているような人くらいなのだ。
そもそも僕みたいな人浪が、ホグワーツにいて、卒業までできそうなこと自体が最高に夢みたいなのに、これ以上何を望むというのだろうか?素敵な友人までできて、正直もうこのまま死んでしまったっていいんじゃないかって思うんだ。そのことを言うとシリウスには泣きながら怒られ、ジェームズには頭を撫でられ、ピーターはチョコをくれた。
「人生とは夢のようなものさ、ムーニー?」
「俺たちはまだまだ楽しいことをするんだ」
「時には戦うこともあるが、それも一興」
「俺たち仕掛け人は死喰い人すら悪戯する」
にやりと子供のように笑いあう二人の友を眺める。(きっとそう簡単にはいかないだろうけど)とピーターの不安そうな顔をみやり思うけど、僕は信じたい。彼らとの夢の続きを。
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眩しい瞬間は永遠にもなりうる