次屋→富松


「あれ、眼鏡?」
「ああ。最近視力落ちてきててさ、こないだ眼科行って作ったんだ」
「似合ってるぞ!作!」
 照れ笑いを浮かべる作兵衛に俺は少しショックだった。何故なら長いこと尋常ではない好意を抱いている相手だ。少しの相手の変化すら大ニュース。
 一応解説すると、俺次屋三之助は女の子も大好きだし興味もあるし実際なかなかモテるけど、長いこと同じマンションに住む同士でずっと一緒でまるで母親のように世話をやいてもらったり(たとえば朝起こしてもらったり、凄く心配されたり)していたり、元々そのケもあるのか作兵衛のことがもの凄く可愛く見えたりして、多分作兵衛のことが友達である以上に好きだ。愛してる。

お洒落眼鏡をかけた作兵衛は可愛さ半減格好良さ倍増なんて現象をもたらしている。ああ作兵衛の可愛い素顔あんま見れないのか、ちょっと残念。つまり自力でみるようにしなけりゃだめってことか。と思考がぐるぐる。





「三之助?何ボーっとしているんだ?」
「いやあ作ちゃんも大きくなってるんだなぁって」
「はぁ?んだよそれ」
ちょっとプンすか怒るところは変わらないけど、俺も作兵衛も成長しているんだと感じる。もう中学生だし、いい加減動き出したっていいんじゃないかな?と頭を掠めた。



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テーマ「人外ファンタジー」
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