サディスティックチラリズム(網間網)


網門は高一の二学期に引っ越してきた。窓際の一番後ろの特等席の後ろにやってきたアイツは初対面第一声「ひっどい髪!」と何度も染色した金色の荒んで枝毛だらけの柔い髪を一掴みし「将来禿げるよ?」なんて言ってきた。
クラスは騒然とした。なぜならクラスで俺はヤンキーで話しかけずらい人とされ、昔からの知り合いがあまりいないこの学校では浮いていた、わりと自由な校風でも流石にこの金髪は浮いたらしい。実際はヤンキーでもなんでもなく、美容室のよくやるカットモデルや染色モデルを何度もしたあげく、見事に失敗して汚い無造作枝毛金髪なだけだ。

「おまっ…」

網門の突然の接触に、おかげでコミュ力が衰えていた俺はすっかりどもり、勢いで奴の「カットモデル?にわかヤンキー?」の質問に素直に応え、すっかりクールなヤンキーの座を失った。

網門が来てから俺の日常はすっかりと変わった。喧しかったり偉そうだったりことあるごとに俺にかまう。今まで何校も転校してきたという網門はコミュ力があり当然人が集まり、いつもいつのまにか隣にいる目立つ金髪の俺もすっかり認知された。静かな学園生活のはずが、イベント毎…いや毎日のように網門に振り回される日々。色褪せた毎日がビビッドな世界になっていた。


「ねぇ間切。俺が転校するって言ったらどうする?」


放課後の教室、そんなことを言った網門に俺は困った。変な顔をしていたらしい。「嘘だよ嘘」と笑う網門にただいてもたってもいれなくなって、冗談だと笑う網門の腕を掴んでいた。








「マジでも冗談でもんなこというなよ…絶対そんなの許さねぇから」
勝手にきて、勝手に心に入り込んで、離れるなんて許すかよ。

















.
たまに見せる君のそういう所、惹かれちゃう







「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -