2018年9月13日

夏が死にかけている。
そもそも今年は、夏が猛威をふるっていた時間がそんなに長くなかった気がする。気温上がるの遅いなぁと思い、ようやく暑い日が続きはじめた矢先、すぐに気温が下がり始めていまに至る。週間天気予報を見ても、もう気温が真夏日になることはなさそうだった。
べつに、夏はきらいだし、いいのだけど。
あの人が、夏によく出てくるくらいのもので。それくらいしか、私の内側に変化はないわけで。
幽霊はいるよって言う人はたくさんいるし、私もそうであってほしいとは思っているけれど、人間、自分が見聞きできないものは簡単には信じられないわけで。そうであって欲しいと"願っている"時点で私は、"そうではない"と思っているわけで。
幽霊がいたところで、あの人には会えないのだけど。なら私は、なんでそんなことを望んでいるのだろう。
よく、分からない。
部屋着を半袖から長袖に変えようか、最近悩む。パジャマは長袖のものに変えた。エアコンのコンセントを抜く。今年は出番が少なかった。
──ちゅうやさん。
…どうした。
はやく冬にならないかな。
お前、気温下がると体調崩すじゃねえか。
うん、でも、好きだから。冬も、雪も。
綺麗な雪景色の写真よりも、霜の降りた枯れ草や、つららや、雪の積もった街の景色のほうが、見ていて楽しくなるのをついこの間気づいた。冬の画像を探して、壁紙アプリを眺めていた。この街の冬は、新しい雪が降っているそばから踏み固められてしまうし、すぐに泥で汚れてしまうけれど、たくさん降るからとけるのも遅い。
はやく冬にならないかな。
もう一度呟くと、彼は肩をすくめた。