2018年4月5日

時間割のこと。
単位のこと。
卒論のこと。
就活のこと。
バイトのこと。

昨日今日で流れ込んできた情報が多すぎて、処理が追いついていない感じがする。思っていたより、忙しくなるかもしれない。

昨日は、死にたかった。
新しいお店は、思っていたより忙しそう。でも、少なくとも、昨日会った人たちは、みんな優しかった。
だけど、店長の声は少し苦手。だって、あの声は、似てるから。夏の間の、嫌な思い出。押さえつけられて、抵抗なんてまるでむだで、暖簾に腕押し糠に釘。自分がどれだけ非力で無力かを思い知った、まとわりつく不快感と……。
思い出したくもない。
バイト帰り、ただぼうっとしていた。気づいたら最寄り駅で、気づいたらマンションまでの道のりを歩いていた。薄暗い店内でつかの間に感じた、孤独と憤りと我に返ったような感覚だけが、ずっと尾を引いていた。

壊れてしまえばいいのに、と思う。
いっそ包丁をつき立ててみようか。
ガラス瓶の中で包まれたままのタキシンの種。
…死ぬの? この部屋で?
その後のことを考えてしまうあたり、私が現実から目をそらしきれていない証拠だと思う。
私の上にまたがった彼が、私の首に手をかけたまま、苦しそうに呻く。やめてくれ、と。暗闇の中で彼は、悲痛な顔をする。こんなことをしたくない、と。
彼には悪いことをした。
ごめんなさいと謝って、一緒に眠る。そうして次の日には、昨日のうちに死ねばよかったと思いながら朝を迎える。昨日洗濯しておけばよかった、と軽い後悔をする主婦のような感覚で。

バイトの帰り道。23時をすぎた頃に、東南の方に浮かぶ欠けた月を見て、何のために生きているのだろうと思った。やめたかったバイトをやめられないまま、新しいバイトを始めてしまった。自分の生活を少しでも楽にするために探していたバイトのはずなのに、結果的に忙しさがあまり変わっていない気がする。なぜやめてしまわないのだろうと考えて、一番に浮かぶのは今まで続けてきたバイト先の先輩たち。彼女たちは嫌いじゃない。私がやめて負担になるのかと思うと、気が引けている。たぶん。
バイトをするのは、実家に負担をかけないため。
大学を卒業するのは親にお金を返さなきゃと思うから。
バイトをやめられないのは先輩たちのことを気にして。
なら、自分のためにやっていることは? すぐに浮かんだのはサイトのこと。お話を書くこと。でも、わざわざ文章にして公開する必要は、きっとない。自分のためだけなら、想像──創造するだけで十分なはず。わざわざ形に残すのは、文章の中でしか形を持てない彼のため。文脈の中でしか生きられない彼を生かすため。
私の一番やりたいことは?
今すぐに、死んでしまいたい。そんな答えしか出てこないから、就活がお先真っ暗なのだと思う。

死にたい、と思う一方で、ちゃんとしなきゃ、とも思っている。
ちゃんとしなきゃ。
講義を選んで、単位が足りるように計算をして、卒論を書けるように条件を満たして。就活のための説明会、夏休みから始まるセミナー、それらとバイトの帳尻合わせ。家事をして、年金や学費の書類も手続きをして、新しいバイトの仕事も覚える。
死にたいと思う私を、ちゃんとしなきゃと思う私が許さなかった。
ちゃんとなんてしたくない。私は、1人でもちゃんと生きていける私、じゃなく、彼がいないと生きていけない私、になりたいのに。
ちゃんとしてる、そう言われる度に悲しくなる。惨めになる。私は、なりたい私、にはなれない。
死ぬこともできない。逃げることも許されない。彼は、すぐそこにいるのに、会うことは出来ない。
どうしたら、いいんだろう。