2018年4月24日

女性車両について。
私はまあ、乗る人が純粋に普通の車両の半分になるわけだし、空いててラッキーって思っちゃうんですけど、男性側からしたら、間違えて乗っちゃった日とかは、よほどのことがない限り、それがその日一番の嫌なことになったりするんじゃないかなって思ったりします。たまに、気付かずに乗ってる人とか見ると、私は「あーあ」って思いながら見てるんです。そのまま気づかずに目的の駅で降りてくれれば一番平和なんですけど、たぶん、向こうにとってもそれが一番なんですけど、乗ってる途中で女性車両だってことに気付いたり…それでも十分嫌な思いになるじゃないですか。でも、明らかに、明らかにお前は痴漢とか絶対ないだろっていうオバサンが、何ならちょっと威圧的に、出てってくださいみたいなこと言ってたりすると、なんだあのオバサン、ってなったりします。もうちょっと人の気持ち考えられないのかな、とか。…あ、女性車両ですか、特に気にしないです。空いててラッキー、くらいで。……そう、ですね、どっちかと言うと、なくてもいい、かな。
そんなことを話していた子が一番面白かった。
女性車両の他にも、映画のレディースデー、飲み会での「女子は払わなくていいよ」、女性へのセクハラなどの行為が男性へのそれより取り上げられることについて、等を先生が話していた。
「ちょっと気持ちは理解できないんですけど、女性にもいるじゃないですか、男性を触りたがる人」
笑った。
「女だけの国」を思い出した。
少し前にツイッターで物議を醸していた話題。女性車両は、小さな「女だけの国」なのかもしれない。どうでもいいと感じる人にとってはどうでもいい。そんなもの要らないと思う人もいる。でも、男性が怖いとか、嫌な思いをしたことがある人たちにとっては、とても重要なことなのだ。たぶん。

先生の友人の人が、心筋梗塞で亡くなったらしい。突然、前日まで普通に元気で、夜に心筋梗塞になって、そのまま布団の中で…。だそうだ。
羨ましい、と思ってしまう。いいなぁ、と。羨むべきことでは、ないのは分かっているけれど。一番に思うのが、お気の毒に、でも、心筋梗塞って怖いな、でもなくて、いいなぁ、なのだ。
このあとお通夜なので、ちょっと早めに終わりますね、と言っていた。若い人の──男性の20代30代の心筋梗塞、意外と多いらしいです、と。男性だけですか、女性はないんですか、と聞きたかった。
自殺する自由ってあると思いますか。僕はあると思ってる立場なんですけど…。死って、ずっと哲学の大きな問題の一つでもあります。
そんなことを講義の前に話していた。
自殺する自由。
私もあると思っている。他者は他者でしかない。他人にできることなんてしれている。自分以外の誰かを救うことなんて、誰にもできない。
いや、そんな自由はないと言われても気にしないけれど。
だって、誰にもあの人を私の前に連れてくることなんてできないもの。私に生きる気力を与えることなんてできないもの。何も出来ないくせに、ただ否定するだけの人は、無責任以外の何者でもない。代わりの提案をできない人に、私の邪魔をする権利はない。
自分の人生に責任を取れるのはその人本人だけだ。
誰にも、どうにもできないことなんて、山ほどある。
だから、私に、あの人を引き止める権利も、ないのだ。ほんとうは。
それが悲しい。
私があの人を救えないことじゃなく、あの人がどうしようもないところまで堕ちてしまったことが。死を覚悟するところまでいってしまったことが。死ぬ間際に、他人にあんな優しい笑みを浮かべられる人だったことが。ぜんぶ、悲しい。
るりちゃん。
明かりを消した浴室に、あの人が立っている。暗がりの中で幽霊のように、見方によっては不気味にすら見えたけれど、私はどうしようもなく悲しかった。