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「暑いなーもー」
夏真っ盛り。
じわじわと汗が肌浮かび、タンクトップが嫌な感じに張り付いて気持ち悪い。
それはミチルも同じようで、いつもなら爽やか且つ優男みたいな顔をしてるのに 今日は怠そうに汗を滲ませながら手で一生懸命扇いでいる。

後ろで軽く結った髪のすぐ下から覗くうなじが、妙に艶っぽく見えた。


いのはお互い様


「…アイス食べたい」
ふ、といきなり思い付いたように声を出したミチルは、天井に向けていた視線をオレに移した。

「食べたいんで、ください」
「ねーよ」
ベッドにもたれかかってねだるその姿は、もう半ば上目遣いでなんとも言えず愛くるしく…いや、可愛くて いっそのこと押し倒したくなる。

「やだー、アイスー」
「駄々っ子か。ないもんはないんだよ」
こっちだって、あるんならあげたいのは山々だ。
ここは、サーヤが全部平らげたってことに…って、だめだろそれは。

「うー…、じゃあ安形買ってきて」
「パシリかオレは!」
さもそれが当たり前だと言わんばかりの物の言い草に、思わず突っ込んでしまう。

「俺も一緒に行ってあげるから」

なんだかんだで立ち上がったオレに ん、と両手を伸ばしてきた。
なにコイツ


(…ミチルってこんなに甘えてくるやつだったっけ)
暑さでおかしくなったのか。何はともあれ、いい意味で我が儘で、超可愛い。

「ったく、めんどくせぇな」
そう言いながらも上半身に半袖のシャツを羽織って、差し出された手を引くオレは

大分こいつに甘い。

end




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