「なんで休日まで君達と遊ばないといけないのかな」
「しゃあないやろ、白石がどうしてもっていうから」
目の前にはいつもの制服じゃなくて、私服の謙也と白石君。なんでこうなかったって、今日の朝いきなりメール来て遊ぼう!って言われたからだよ。せっかくの昼まで寝る予定がぶち壊しだよ!
「はあ、せっかく部活休みなのにそれでいいの白石君は」
「なに言うとるん名前!休みだからこそ名前と遊びたいんやんか!何よりの癒しや!」
「謙也、私日本語わからないみたい」
「名前、現実から目を反らしたらあかん」」
きっと周りから見たら、イケメン二人が揃ってて興奮するだろうに。中身を知ってる私はもうなんとも思いません。
「で、どこ行くの」
「へ?」
「え、まさか決まってないのに呼び出したわけじゃないよね」
「俺は名前がいたらどこでも楽しいで!行き先のない二人だけの旅。ああん、エクスタシー!」
「うん、決まってないんだね」
「おい、白石!何がエクスタシーやねん!俺もおるからな!」
「あ、謙也おったんか」
「ちょ、ひどいわ!」
なぜ決まってないのに、私は呼び出されたんだろうか。こうなるって予想できたはずなのに、のこのこ出てきた私も私だけど。てか、白石がエクスタシーとか叫ぶからめっちゃ注目浴びちゃってるじゃん!最悪、とりあえず場所移動したい。
「とりあえずお腹減ったからファミレス入る?」
「ええなあ!俺も腹減ってきたわ!」
「エクス「よし、白石君も行くよ」
なぜかまた叫びそうになった白石君の手をひいたら、顔を真っ赤にして「名前!大胆!」なんて言ってきた。散々くっついてきといてなんで今更顔赤くしちゃうかな。なんかこっちまで恥ずかしくなってくる。そんな私を見てからかってくる謙也はとりあえず一発殴っといた。
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「おいしー!」
「なんで、なんで俺が・・・」
「いきなり呼び出されたんだからこんくらいいいじゃん」
「そうやそうや!」
「ちょっと待てや!名前はしゃーないとしても白石のは奢らへんからな!だいたい名前食べ過ぎやから!太るで!?」
「うるさい」
「いった!殴ることないやん!」
「謙也女の子にそんなこと言ったらあかん!てか、名前の体はめっちゃ魅力的やで!女の子のこはちょっとふっくらしてた方がかわええんやで!」
「 白石君、私泣くよ?」
さらっとひどいし、さらっと変態発言をするな!確かにふっくらしてた方がかわいいかもしれないけど、私平均体重よりちょっと軽いぐらいだし。何、ふっくらって!てか、ん?あれ?
「何か写真取られてない?」
「え?ああ、たまにパシャパシャ言ってるな。全く、勝手にとらんで欲しいわー」
「いや、謙也じゃなくて白石を撮ってるんだと思うよ」
「はあ!?こいつどこまでもってくねん!何やねん!ちょっとかっこよくて、テニスできて、勉強できるからって!」
「 謙也、あんたかわいいね」
「いや、全然嬉しくないわ!」
「お前ら何言ってんねん!あいつら絶対名前とってるやん!」
「「は?」」
「俺ちょっと止めてくるわ!」
「ちょ、ちょちょちょっと落ち着け白石!あいつら女子やで!?名前撮るわけないやん!」
「そうだよ!早まっちゃダメだ白石君!」
意味がわからない。天然?こういうのを天然って言うの?私を撮るわけないでしょ、撮られてるのはあなたです、白石君。今にも止めに行こうとするのを必死に止める私たち。
「あかーん!名前を撮っていいのは俺だけやねん!」
「「は?」」
本日二回目のは?が謙也とバッチリハモる。ちょ、ちょっと白石君?今ものすごい発言したよね?
「撮ってるの?」
「へ?」
「私を撮ってるのって聞いてるの」
「名前っ、お、落ち着き!」
「当たり前やん!俺の携帯名前のフォルダあるねんで!」
ドヤって携帯を見せ付けてくる白石君に怒りがワナワナと沸き上がってくる。
「私撮っていいなんて言ってないよね?」
「だって、撮っていいなんて聞いたら名前絶対嫌だって言うやん!だから聞かずにばれないように撮ってんねん」
謙也がちっちゃい声でバラしちゃってるやんって呟く。
「携帯、貸して?」
「え!なんで?」
「データ消すに決まってるでしょうが!」
「あかん!絶対あかんからな!」
「あかんはこっちの台詞だ白石いぃ!!」
「名前!こ、ここ、ファミレスやで!」
「早く貸して!」
「嫌だ!」
「貸せ!」
「嫌!」
断固として携帯を貸さない白石。結局、謙也に協力してもらい携帯をとりあげ、データ消去。思った以上の枚数があって正直ひいた。
「俺のデータがああああ!」
盗撮が犯罪って知ってますか?