「名前〜!おはようさん!」

「おはよう、白石君」

「今日もかわええなあ」

「ありがとう。だけど腰にある手は離してくれないかな」

「ええやん!減るもんじゃないし」

「そういう問題じゃないでしょ!離せ!」

「嫌や!」

「謙也〜!白石君をなんとかして」

「はあ、またかいな。ほら白石行くで」

「嫌や!名前、名前ー!」



謙也にズルズルと引きずられていく四天宝寺の聖書こと白石蔵ノ介。学校一のイケメンで、テニスも完璧で勉強もできる。そんな彼を好きな人も多いけど、実際はただの変態野郎。
なんでみんな気づけないの、あいつの本性に。なんであんな変態野郎がモテるの。小石川君の方が数倍素敵なのに!



「名前ー!」

「え、なんでいるの」

「ひどい!謙也を倒してまで会いに来たんに!」

「ええ!け、謙也は?」

「ご、ごめん名前・・・俺は、も・・・う・・・ぐはあ!」



教室の入口で倒れる謙也に向かって謙也ー!死ぬなー!なんて叫んでるバカ石。いや、殴ったのあなたでしょうが。てか、そんなノリにのらなくていいでしょ。って思ってることを言ったら、つれへんな〜なんて肩に手を回してくる白石君。



「白石君、この手はなにかな」

「痛い!痛い!つねらんといて!」

「はあ。謙也、テニス部の聖書はこれでいいの?」

「しゃあないやん。もう止めたって無理やねんから」

「まあ、確かに。てか謙也演技忘れてるよ」

「ああ!しまった!し、死ぬー!!」

「謙也ー!!」



こいつらは本物の馬鹿だ。馬鹿すぎて話にならない、と思いため息をつきながら席に座ると上からずしっと重みがのしかかる。



「お、重い。白石君どいて」

「ええー、ええやん別にー」

「なにそれ、全然かわいくないよ。重いからどいて」

「謙也〜名前が冷たいー!」

「白石、かわいくないで」

「ガビーン」

「え、それ口で言っちゃうの?言っちゃっていいの?てか、白石君離れて。もうセクハラだからね」

「何言ってるん!スキンシップやん!」

「はあ、」

「ため息ついまら幸せ逃げるで」



あなたのせいです。って言ったらひどいわ〜なんて言ってさらにのしかかってきた。お、重い!周りの視線も痛いし・・・ああ!もうなんでこんな変態に好かれちゃったんだ。



スキンシップじゃなく変態です



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