「ただいまー」


部活から帰ってきたらコタツに突っ伏せて寝ていた名前。コタツで寝るなって言ったのお前だろぃ。よし、たまには俺がご飯作ってやろうかな!オムライス食べたいし!


そう意気込んでからオムライスを作るため悪戦苦闘してたら、やっと名前が起きてきた。結構寝てたな、こいつ。



「おはよう、もう7時だぜ」

「あ、れ?  え!嘘7時!?ごめんご飯」

「もう作ってる。オムライスでいいだろぃ?」

「あ、ああうん。ごめん、ありがとう」



まだ寝ぼけてんな。もう俺が名前の家に住み着いて結構経つけど、初めて料理作った気がする。いっつも俺はのんびりしてるだけで、家事とかあんまりやってない。皿洗いだけはするようにしてるけど。それなのに名前は俺に帰れとは言わないし、むしろ俺がいてもいつも通り普通に生活してる。



「ほら、出来たぜ!」

「うん。  って卵ぐちゃぐちゃじゃん」

「ちょっと失敗しただけで、味はうまいからいいんだよ!」

「ふふっ、そうだね。いただきます」

「いただきまーす! どう?天才的?」

「え!ちょ、おいしすぎ!なにこれ、丸井は神なの?料理の神なの?」

「神ってなんだよぃ。オムライスは割と得意な方だぜ!」



おいしいおいしい連発しながらオムライスを食べる名前を見てなぜか幸せな気持ちになる。

名前と初めて会ったときは無愛想だな、って思って絶対仲良くなれないだろって思ったのに。今じゃ名前の隣が心地良すぎる。この気持ちを恋っていうのかと考えれば、なんか違う気がする。家族みたいな?でも、とにかく今は名前の隣にいたいって思う。



「そういえばさ、今日放課後赤也にあって、今度遊びに来たいって言われたんだよね」

「はあ?もう人が入るスペースないだろ、断れよぃ」

「いやいや、そんくらいのスペースはあるでしょ。てか、そんときは丸井帰ればいいじゃんか」

「ええ!赤也のために帰るとかめんどくさいだろぃ?」

「後輩のためでしょうが」

「いやだよぃ!」

「なんてわがままなんだ」



何か名前はぶつくさ言ってるけど、絶対帰らねえ!最近赤也のやつ名前に懐きすぎだろぃ。なんか複雑な気分だぜ。赤也にがつんと言ってやろうかな。いやでも、なんて言えばいいのかわかんねぇ。



「まあ、いいや。なんとかなるでしょう。 よし!今日は私が洗い物するよ。丸井先にお風呂入っていいよ

「了解!じゃあ入ってくる」

「うん、いってらっしゃい」




「ふぅ 」


お湯に浸かってゆっくりしてたら、寝そうになる。まあ、そんなことしたら名前に怒られるからしないけど。

もう自分の家より名前の家の方がずっと楽だ。家事しなくていいとかそういうんじゃなくて。やっぱり、一人で暮らすのって寂しいだろぃ?絶対名前もそう思ってるはず!だから一石二鳥だろぃ!



「丸井ー!お風呂まだー?」

「今上がる!」



ドアの向こうから聞こえる名前の声。あいつ洗面所入るなよ。仮にも男だぜぃ?まあ、そんなこと名前には関係ないか。そういうところが一緒にいて楽だ。
お風呂急かしすぎだろぃとか思いながらもそれに従う自分は、この生活にはまりすぎだろって思うけど、今はこれでいい気がした。






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