明けまして、おめでとう
「はあ?」
12月31日夜10時。家族でほのぼのと紅白見てて、ジャ○ーズはやっぱりかっこいいね〜なんて話してたら珍しく幸村からメールが来た。幸村からメールとかかなり珍しいけど、メールが来るときはだいたいろくなことがない。そして、今回も例外じゃないみたい。
To幸村精市
Sub無題
―――――――――――――
今から校門に集合!
10分以内に来なかったら
わかってるよね(^^)?
-END-
意味がわからない!今外絶対めっちゃ寒いよね?てか、雪降ってるし。メールに物凄く黒いオーラが見える。見えるんだけど、無理です、と心の中で返事をして無視することに決めた。
「ひっ」
と、ここで私の考えを読んだかのように幸村から電話が。出たくない!出ないとやばい気がするけど、ここで出たらメール無視した意味がなくなってしまう。中々出ない私にお母さんが、出ないの?と追い打ちをかけるように問い掛けて来たから仕方なくリビングから出て電話に出る。
「もしも『もしもし?俺だけど。まさか行かないなんて考えてないよね?え、そんなこと考えてないよね?てか、来い。今すぐ来い。もうみんな揃ってるんだけど。俺結構前から待ってるんだよね。手先とかすごく寒いんだけど。もしもし?聞いてる?』 今すぐ行きます」
な、なんだあのマシンガントーク!怖い!怖い以外のなんでもない!お母さんにちょっと出てくるとつげて急いでコートを羽織って家を飛び出す。校門まで走って5分。し、死んでしまう!
―――――――――――
「遅いよ」
「いっや、だ・・いぶ、いそいっだよ!」
「取り合えず落ち着け名前」
「ありっがと・・・ぎゃっ!」
「名前先輩遅いっスよー!」
「おい赤也!名前に抱き着いてんじゃねぇよ!」
「ずるいのう」
無理矢理私から赤也を引っぺがすブン太と仁王。うん、今はすごく有り難い。もう息切れしてる上にすごい力で抱き着かれたらさすがに死んじゃうよ。
「では!神社に行くか!」
「なんで真田が仕切ってるのかな?」
「むっ、すまぬ」
「仁王君!新年からダラダラ歩いたらいけません!」
「あ!名前先輩手袋してないじゃないっスか!」
「うん、急ぎすぎてて忘れてた」
「柳生は新年からうるさいのう」
「まじかよぃ!こんな寒いのに手袋忘れるとか馬鹿だろぃ」
「そうだ、柳!またみんなで餅つきなんてどうだい?」
「いいかもしれないな。臼なら弦一郎の家にあるだろう」
「仁王君!」
「仕方ねぇから手袋貸してやるよ!ジャッカルが!」
「俺かよ!まあ、名前寒そうだし貸してやるよ」
「プリッ」
「ありがとうジャッカル。でもジャッカルも寒いだろうから大丈夫だよ」
「じゃあ俺が手を手を繋いであげるよ。こうすれば暖かいだろう?」
「ゆ、幸村!?いや、全然大丈夫だよ!?」
「幸村部長ずりー!俺も繋ぐ!」
なんだ、この騒がしい集団は。ああ、周りの人の視線が痛い。ただでさえ頭が赤やら銀やらで目立つのに!せめて静かにしてくれ、頼むから。
「あと3分で年が明けるぞ」
「まじかよぃ!今年ももう終りかー」
「あっという間だったね」
「本当じゃのう」
「ふふっ、来年も練習が楽しみだね」
「ちょ、幸村これ以上はやめてくれよ!」
「そんなことでうろたえるようでは、たるんどるぞ!ジャッカル!」
「副部長うるさいっス」
「なっ、」
「赤也も言うようになったね」
「だって本当のことっスよ!」
「あ!時計見ろよぃ!」
3・2・1
「「「「明けましておめでとう(ございます)(っス)!」」」」
「みんな今年も気合い入れていくからね」
「無論だ!今年も無敗で行くぞ!」
「皆のデータもまだまだとらなくてはな」
「俺も新しい妙技考えるぜぃ!」
「じゃあ俺は後衛としてもっと鍛えなきゃな」
「私たちももっとスムーズに入れ替えできるようにしましょうね!」
「プリッ」
「俺は今年こそ部長を越えるっス!」
「ふふっ、赤也何言ってるのかな」
「みんな今年もがんばってね!」
なんか、いきなり抱負発表みたいになっちゃったけど。みんな目標高いな。うん、いいこといいこと。まさに王者な彼等をみて自然と頬が綻ぶ。
「 名前」
「ん?」
「今年も、サポート任せたよ」
「 っ、もちろん!任せて!」
そっか、私も王者の一員なんだ。幸村の言葉にちょっと胸が暑くなる。
「よし!今年も張り切って行くぞ!・・・常勝!!」
「「「「「立海!!」」」」」
明けましておめでとう。今年もよろしくね、みんな。