スカイ


──空を歩く。
 鉄棒から逆さにぶら下がっていると、空を歩いているような感覚になる。
 いつも足下に広がる大地は頭上に腕を広げ、頭上に広がっていた空が足下に裾を広げる。
 大地とは違う、果てが見えない空を歩くという感覚は、いつもは手に届かない物を掌握しているような気分になった。
 それが夕焼け空であれば尚更である。
──夕暮れ時は1日の終わり。
 皆が足下を見ながら帰る中、私は美しく燃え上がる空を掴んで自分のものに出来るのだ。
 この瞬間だけ、1日の終わりは私のものになる。
「……よし!」
 勢いをつけて、いつもの世界に舞い戻った。
 沈んでいた心も上昇気流に乗ることが出来ている。
 準備はオッケー、気分は上々。
 帰路に着いた私の心も、今ははるか上を歩いている。




- 6 -

[*前] | [次#]

[しおりを挟む]
[表紙へ]




0.お品書きへ
9.サイトトップへ

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -