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声はするが姿が見えない事に、アルベルが不信感を抱く。
「おい、誰かいるんなら姿を見せろ」
クリフは辺りを見回しながら『誰か』に話しかける。
すると、二人の前が光りある人物が現れた。
「なっ…何だ?!俺?」
「俺もいる…」
『よう、俺!やっぱそっちのアルベルもいいよなぁ』
現れたのは、クリフとアルベルだった。姿も、今の二人と同じで裸だ。
「お前達は一体何者だ?何故俺達と同じ姿をしている」
『ん?あぁ、俺達はお前達のコピーだ。簡単に言やぁ鏡の中のお前達だな』
「鏡…?もしかして、あの大きな鏡の事か?」
『そうだな。その鏡だ。お前達があまりにも熱いからつい呼んじまったんだよ』
そう言ったもう一人のクリフは、後ろに隠れていたアルベルを引っ張り出す。
『あ…クリフ……続きは…?』
『ちょっと待ってろ。なぁ、俺。コイツ、お前がそっちのアルベルに使った薬で感じまくってんだよ』
その言葉通り、もう一人のアルベルの顔は赤く、目も潤んでいた。
「あぁ、そういう事か。いいぜ?滅多にできない体験だ。付き合ってやるよ」
「おい、クリフ。何の話だ?元の場所に戻れるのか?」
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