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さすがに怖くなったのか、アルベルはおとなしく付いていった。
ホッとしたクリフはそのまま手を引いて歩いていく。
少し歩くと何度か手を引っ張られる。クリフが不審に思ってアルベルを見ると、今にも寝そうな状態でフラフラと歩いていた。

「大丈夫か?もう少しで宿だが…」
「ん…だいじょ……ぶ」

大丈夫と言いながらも、眠気は一向に覚める気配はない。
大量の酒を飲んでいたのだから当然といえば当然だが。
無理に引っ張って転ばせる訳にもいかないので、クリフは周りを見渡して人がいない事を確認すると、アルベルの前にしゃがみ込んだ。

「仕方ねぇからおぶってやるよ」
「おんぶ…?うん…」

アルベルは目をこすりながらおぶってもらう。
立ち上がったクリフが数歩歩くと、すぐに静かな寝息が聞こえてきた。

「何やってんだ、俺…」

おぶるという自分の行動に疑問を感じながらも、アルベルを起こさないようにゆっくり歩く。

日が暮れていたこともあり、道には人はほとんど歩いていなかった。
恥ずかしい姿を見られずに済み、クリフはほっとする。


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