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「一緒?じゃあ遊んでくれるの?」
「遊……あぁ、いいぜ」
「やったぁ!早く早く!」
遊べるのが余程嬉しいのか、かなりの強さでクリフの腕を引っ張っていく。
正直遊びなんて面倒だったが、酔っ払っているとはいえ普段見られないアルベルを見られる事にクリフは期待していた。
「ミラージュ、悪いが払っておいてくれ」
「わかりました。随分酔ってるみたいですから、あまり遅くならないでくださいね」
「おう。じゃ、頼むわ」
クリフは財布をミラージュに預けると、アルベルに引っ張られ酒場から出て行った。
「おい!そっちはだめだ」
「え〜…」
酒場を出た二人は、ペターニ中を歩き回っていた。
酔って子供に戻ったアルベルは様々な物に興味を示し、動き回る。
門を出ようとする時もあり、目を離せない状態にクリフは疲れていた。
「しっかしいくら酔ってるって言ってもここまでなるか?まるっきり子供じゃねぇか」
道に転がっていた石で楽しそうに絵を描くアルベルを見ながら、クリフは一息つく。
普段のアルベルとは全く違う姿に面白いような、不思議なような…なんとも言えない気持ちになっていた。
酔っているだけだから、酒が抜ければいつものアイツに戻るだろう。
どうせ戻ってしまうのなら楽しんだ方がいい、そう考えたクリフはアルベルを呼ぼうと顔を上げた。
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