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数時間後、日も暮れ始めたのでクリフ達は宿に戻ることにした。
アルベルは一時間程前に酔い潰れて眠ってしまっていたが、そのままにしておくこともできないので、クリフが声をかける。

「おい、そろそろ戻るぞ。起きろって」
「ん…やぁ……まだ寝るのっ…」
「……なら置いて行くぞ。一人で好きなだけ寝てればいい」

少し話し方がおかしいと思いながらも、クリフは店を出る為立ち上がる。
金を払おうとカウンターにいる店員に声をかけようとしたが、それを阻むように腕を引っ張られた。

「置いてっちゃやだ…」
「はい?」
「一人やなのっ…」

今にも泣きそうなアルベルがクリフの腕をぐいぐい引っ張っていた。
話し方もさっきより子供っぽくなっていて、顔も赤い。
酔っ払っているのはすぐわかったが、普段のアルベルとはあまりにも違う為、クリフは呆気にとられ固まってしまう。
ミラージュもクリフの後ろから不思議そうにアルベルを見ていた。

「一人はやなの…」
「わ…わかったから泣くな、な?」
「そうですよ。置いて行きませんから」

二人はなだめるように言うと、アルベルの頭をポンポンと撫でる。
それに安心したのか、アルベルの表情も明るくなっていった。



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