present?

「うわっ…寒いなぁ。同じ冬でもアリアスとは随分違うね」
「アーリグリフは元々気候が厳しい国だからな」
「だが宿と工房がこんなに離れてるとさすがに寒さが堪えるぜ」

冬のアーリグリフの雪道を男三人が歩いて行く。
アルベルが二人に抱かれるようになってから数か月が過ぎ、三人で行動する事が多くなっていた。
宿から工房までは少し距離があり、寒さが身にしみる。

「もう十二月だから寒くて当たり前なんだけどね。やっぱり寒いのは辛いよね」
「軟弱だな。これくらいの寒さなんてたいしたことないぜ」

寒さに震えるフェイトを見て、バカにしたようにアルベルが笑う。
アーリグリフで育ったアルベルは寒さに慣れていた。

「そりゃお前がここで育ったからだろ?普通の…少なくともシーハーツみたいな気候の土地の人間にはこの寒さはキツい」
「そうそう!アルベルがおかしいんだって」
「ふん……負け惜しみかよ」
「ちがっ…!……へぇ、そんな事言っていいのかい?」
「あ〜あ、怒らせちまったみてぇだな」



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