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「はい、これ着て」
どこから出したのか、フェイトの手には一着の服が握られていた。
「なんだ?それ」
「これ?コスプレ用の衣装。誰でも可愛い猫ちゃんに変身セット〜!」
「なっ…」
大はしゃぎなフェイトにアルベルは開いた口がふさがらない。
「これ女の子用で露出多いんだけど、アルベルなら着れると思ってさ。あぁ、大丈夫。尻尾の穴はあけてあるよ」
「着るなんて言ってねぇよ!コレも自分で抜くっ…」
手が自由になっていたアルベルはバイブに手をのばす。
「ダメだよ、アルベル。皆待ってるんだからさ」
「何…?」
「皆今パーティーの準備してるんだ。アルベルが来ないと全員揃わないじゃないか。あぁ、でも行きたくないんなら仕方ないか。皆には『アルベルは感じすぎて足腰立たないから来れない』って言っておけばいいかな。だからアルベルは休んでていいよ。あ、心配しなくても大丈夫。料理は後で持ってきてあげる」
アルベルに口を挟ませず喋るだけ喋ったフェイトは部屋を出ようとする。
「まっ…待て!」
「ん?まだ何かあるのかい?」
「い…行くから…言うなっ」
「よかった〜!アルベルがその気になってくれて安心したよ」
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