mirror


そこは、地図には載っていない小さな村。
村人の数も、とても少なく村として成り立っているのが不思議なくらい寂れていた。

「おい、何で俺が留守番なんだよ」

宿には留守番をしているクリフとアルベルがいたが、アルベルは不機嫌そうだった。

「仕方ねぇだろ。情報収集するにゃ、お前や俺はいないほうがいいんだとよ。お前目付き悪いし俺は威圧感あるからな」
「…ちっ…」

腹は立つものの、クリフの言葉に納得したアルベルは、窓の縁に座り外を眺めた。

「なぁ、アルベル。暇なら俺と仲良くし…」
「断る」

クリフの言葉を遮り、アルベルはドアに向かって歩き出す。

「ツレないなぁ。しゃあねぇ、実力行使でいくか」
「何をブツブツ言って……うわっ!」

クリフはアルベルの腕を掴み、ベッドへ放り投げた。
そして暴れないように、手首を頭の上で縛りその縄をベッドへくくり付ける。

「何しやがる!解け!このクソ虫!」
「お〜お〜、元気だな。それだけ元気なら何やっても大丈夫だな」
「何?!」

クリフはポケットから小瓶を取り出すと、アルベルの顔へ近付けた。


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