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「よし、そろそろ戻らねぇとな」
「ああ」
「おぉ、そうだ。詫びのプレゼントじゃねぇが……ちょっといいか?」
「何だ?」

クリフはアルベルの正面に立つと、アルベルの頬に触れる。
長い髪を指に絡ませながら唇を重ねた。

「…っん…」

いきなりのキスにアルベルは一瞬驚いたが、すぐにクリフに全てを委ねる。





どれくらい時間がたっただろうか。
どちらともなく離れると、無言のまま宿へと歩き出す。
言葉はなかった。
今はお互いの心が通じ合っていると思っていたから。



その後二人が別のパーティになることはなかったが、クリフの軽い性格のせいで幾度も喧嘩をすることになる。
それでもアルベルは一緒にいられる事を幸せと感じ、必要とされている事を喜んだ。

いつか、二人で過ごせる日が来ると信じて――――。

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