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「まだ怒ってるのか?」

その問いにも返事はない。
クリフは痺れを切らしたようにアルベルに近付く。

「ごめんな…」

そう言ってアルベルを抱き締めた。

「…今回は許してやる。だが次やったらもう許さねぇからな」
「おう。覚えておく」

やっと出て許しの言葉に、クリフはホッと息をつく。


会えなかった時間を埋めるかのように、二人は長い間抱き合っていた。
それを物陰から二つの影が見守っている。

「仲直りできたみたいだね」
「らしいわね。本当、お騒がせな二人だわ。そうそう、フェイト、これからあの二人を別のパーティにするのやめてくれる?離れるたびにこんなんじゃ、こっちがもたないわ」
「そうだね。八つ当たりされるのも御免だし、これからは一緒にしておくよ」
「そう、よかった。…ねぇ、そろそろ戻らない?いつまでもあの二人見てても意味ないわ」
「え〜…これからが面白そうなのに…」
「いいから行くわよ」

マリアはフェイトの腕を掴み、宿へと連れて戻っていった。



しばらく抱き合った二人は、ようやく離れお互いの顔を見る。



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