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「なかなか強いわね」
「さすがは試練の遺跡、ですね。アルベルさん、大丈夫ですか?」
「あぁ」

ミラージュの問い掛けに素っ気なく答えると、アルベルは一人先へ進んで行く。

「ちょっと!あんまり先に行かないでよ。ここの敵弱くはないのよ?」

マリアの制止も聞かず、アルベルは歩を進める。

「なんなのよ、もう」
「急いでる…ようですね。とにかく後を追いましょう。いくら彼でも敵に囲まれたら危険です」
「そうね。急ぎましょ」



同じような道、同じような部屋。
迷ったと錯覚させる遺跡の深部へ近付けば近付く程敵は強くなる。
最初は一人で先に進んでいたアルベルも、さすがに自分だけでは倒せないと悟ったのか、単独で行動することはなくなっていた。

「だいぶ奥まできたんじゃない?」
「そうですね。もっと強いモンスターとかいそうですし…。気を引き締めて行きましょう」
「フン、どんな奴が来ようとぶっ飛ばすだけだ。さっさと行くぞ」

そう言うと、アルベルは転移装置へと歩き出す。

「ちょっと待って。この先はまだ行かないほうがいいと思うの」
「……何故だ?」



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