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今にも喧嘩になりそうな二人の背後で、大きな咳払いが聞こえる。
振り返った二人の目に映ったのは、にっこり微笑むマリアだった。
顔は微笑んでいるものの、怒っているのは明らかで二人は思わず後退る。

「随分楽しそうね?皆を待たせてる自覚はあるのかしら?」
「そ…それは……ほら、あれだ…怪しい奴がいないか最後に確認しておこうと思ってな」
「嘘が下手ね。まぁいいわ、後でゆっくり話を聞くから。さ、行くわよ」

マリアは目で二人を促す。
本気で怒った時のマリアの怖さを知っているクリフは素直に従った。
アルベルも場の雰囲気を察して歩き出す。



時空ステーションに着いた一行は、スフィア社に突入する事になった。
Bなる人物が許可を出したという事で、敵の罠の可能性も含めて一行はアイテムなどの買い出しをしに別れて店へ向かう。

クリフとアルベルはまた遅れるかもしれない、という理由で残された。

「さて、皆が戻ってくるまでお話でもしましょうか」

マリアは椅子に座り二人を見上げる。
若いといってもクオークのリーダーであるマリアには、クリフも驚くような強さがある。
気の強いマリアはクリフに対してもはっきりものを言う事が多々あった。

「あ〜…今回は勘弁して……くれねぇよなぁ…」

クリフは諦めたように呟く。
逃げるのは不可能だと悟ったのか、アルベルもおとなしくその場に止どまった。

「遅れた理由はわかってるわ。いちゃつくなとは言わないけど、周りに迷惑はかけないで。それから……………」


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