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待ち合わせ場所は目立たないようにと、広場の隅に指定されていた。
他のメンバーより一足早く着いた二人は、怪しまれないようにと建物の裏で待つ事にした。
「しっかしアイツら時間にルーズだな。遊びに夢中になりすぎだっての。まさかミラージュまでいねぇとは思わなかったぜ」
「俺にはお前が時間にうるさい事のほうが意外だな」
「あ?随分失礼な奴だな。大人なんだから時間は守るに決まってんだろ」
「大人…」
「なんだよ、その目は!」
アルベルの疑念の目にクリフは怒りながらも、アルベルがいつもの調子に戻ったことに安堵した。
喋ってばかりもいられないので、クリフはチラチラと外を確認する。
約束の時間から三十分が過ぎていたが、フェイト達はまだ来ていない。
だんだんイライラし始めるクリフを見たアルベルは、そっとクリフの手を握った。
「ここなら……してやってもいい」
アルベルの突然の行動に、クリフは驚き動くことができない。
目を逸らしたままアルベルは手を握りしめる。
「これじゃ…駄目…か?」
「…いや、十分だ」
クリフは嬉しそうに笑う。
アルベルもつられて笑顔になる。
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