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数時間後再びアルベルの部屋を訪れると、アルベルはまだ眠っていた。
寝顔が可愛い。
少しの間、寝顔を眺めていたが、ふとこれからの事が頭に浮かぶ。

想いを伝えて嫌われるのは怖い。
それに、いつかは別れが訪れる。
ずっと一緒にいる事はできないとわかっていた。

「今…のままがいいのかもな」

眠るアルベルの髪に触れながら一人で考えていた。
近過ぎず遠過ぎず。
この微妙な距離がいいのかもしれない。
このまま『仲間』なら、今のいい関係が続く。
俺には今の関係を壊す勇気はなかった。

「お前はどう思う?」

眠るアルベルに問い掛けるが、返事はない。
男に惚れられたと知ったらどんな顔するのだろう。
気持ち悪いと顔を歪め、嫌われるかもしれない。
それを考えると、今の小さな幸せがとても貴重なものに思えてきた。


俺は決めた。
今のまま、仲間であることを選んだ。
敵の大将、ルシファーとの決戦はすぐそこまで迫っている。
残された僅かな時間を無駄にしたくなかった。
気持ちを伝えるなら最後だ、別れる時しかない。


アルベルの寝顔を眺めながら俺は決意する。
気持ちを押し殺し、最後まで『仲間』でいることを―――。

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