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…あぁ、やっぱりな。
女に興味がない奴だとは思ってたが…そりゃそうだよな。
女に興味がない奴が男に、なんてあるわけがない。
わかってはいたがやっぱりキツいな。
想いを伝える前に振られたダメージは結構でかかった。
でもそんな様子は見せたくない。
俺は平静を装って話を続けた。
「そうか…まぁ、お前らしいな。悪かった、変な話して」
「ふん…」
アルベルはグラスの酒を一気に飲み干すと、俺にグラスを突き出してきた。
どうやら俺につげということらしい。
機嫌を損ねるのはさすがにまずいので、素直に酒をついでやる。
俺がついでやった酒を飲むアルベルの横顔を見ながら問い掛けた。
「うまいか?俺様がついだ酒だ、不味いわけねぇけどな」
「別に普通だろ。それよりくだらねぇ話聞かせたんだ、朝まで付き合えよ?」
「朝…いいぜ。とことん付き合ってやるよ」
勢いで朝まで付き合うって言っちまったが、ちょっと期待してもいいのか?
朝まで飲み明かして……ってお約束のパターン。
俺は僅かな期待を胸に空が明るくなるまでアルベルと飲み続けた。
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