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「ホッホッホ。子供とはそういうものじゃよ」
「ウォルター様!驚かせないでくださいな」

突然現れたウォルターに驚きながらも、特に取り乱すことなくウォルターと話を続ける。

「今まで夢のような馬鹿げた事は言わなかったのですが…少し心配です」
「大丈夫じゃろう。子供なら一度はそういう事もあるものじゃ。心配せんでもよい。そなたも疲れたじゃろう?今日はゆっくり休みなさい」
「ありがとうございます。では…お言葉に甘えまして休ませていただきます」

ウォルターに軽く会釈すると、母親も自室へと歩いて行った。










「よっと…おっ、あったあった」

クリフはアーリグリフ付近にあるタイムゲートへと戻ってきていた。
予想よりも遥かに昔に戻ってしまった誤算もあったが、子供のアルベルに会えたのだからよしとしよう…と考え、自分の時代に戻る事にした。

「今度は未来に行き過ぎて、爺さんのアルベルに会っちゃったりしたらどうすっか…」

ふとよぎる不安を胸にしまい、クリフは門をくぐっていった。



数日後、クリフは会談を終えエリクールに向かっていた。
過去の世界でアルベルと交わした、『迎えに行く』という約束を果たす為だ。
アルベルがその約束を覚えているとは思えなかったが、このまま疎遠になってしまうのは嫌だった。

『まもなくエリクールに到着します』

コンピュータが到着を告げる。
クリフは無言のまま座標を入力すると、転送装置へと歩いて行った。





「久しぶりだな、ここに来るのも…」

クリフが立っているのはカルサア修練場の屋上、見慣れた場所だ。
ここで初めてアルベルと会った。仲間になってからも幾度となく衝突し、仲間以上の親密な関係になれた。

自分はアルベルの事を想っているが、アルベルは…?
思えばアルベルは一度も自分の事をどう思っているのか言った事はなかった。

「拒否られたらどうすっかなぁ…」

不安がつい口に出たが、それとほぼ同時に背後から声がした。

「遅ぇんだよ、阿呆」
「…!アルベル、何でこんなとこにいるんだ?」
「自分の家にいちゃわりぃのかよ?」

声の主はアルベルだった。初めて会った時のようにクリフを見下ろしている。

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