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それからしばらくアルベルの痴態を楽しんだものの、結局アルベルが答えることはなかった。

「仕方ないなぁ。まぁ、楽しめたからいいかな。そうそう、今のは人参だったんだ。結構太かっただろう?」
「もう…勘弁してくれ…」
「だから僕が満足するまでやめないって言ったじゃないか。アルベルがちゃんと答えてくれればすぐ終わるよ」

依然やめる様子のないフェイトは、次の食材を手にする。
視界を遮られているアルベルは、まだ続くのかと不安に襲われていた。

「今度はわかるように色を教えてあげるよ。これは…黄色。君がよく料理で使うモノだよ」
「黄……いろ…?んんっ……」

フェイトのヒントを元に、思い付く限りの野菜を考える。
胸の快感が考えるのを邪魔するが、ふと工房に来た時のフェイトの言葉を思い出した。

『いや……でもバナナは使えるかもね』

確かフェイトはそう言っていた。
それなら答えは一つしかない。

「わかっ…から、手……止め…」
「え?随分早いね。ヒントあげすぎちゃったかな。で、答えは?」
「バ……ナナ…?」
「正解。簡単だったね。さぁ、次で最後だけど…ちょっと難しいよ」

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