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フェイトの言葉に反応するように、物陰から異様な物体が顔を出す。
「なっ…なんだコイツ…」
「可愛いだろ?僕が作ったんだ。ちゃんと言う事もきくし、利口だよ」
「あ……ああ………」
その物体はかなり大きく、色は透明だった。
動く異形な生物を見たアルベルは言葉を失い、ある出来事を思い出す。
数週間前、クリフが偶然作ってしまった生きた巨大プリン。
アルベルはその巨大プリンに犯されてしまい、酷い目にあった。
フェイトが作ったというその物体は、クリフが作った巨大プリンとそっくりで、これから何をされるか容易に想像がついた。
「僕見ちゃったんだ。アルベルがプリンに犯されてるところ。気持ち良さそうだったね」
「何…で…?どこで見て…」
「窓から。丸見えだったよ?あとは…楽しそうだったから、かな。クリフと同じプリンじゃつまらないと思って、今回はゼリーにしてみたんだ」
覗いた事を悪びれる様子もなく、笑いながら話すフェイトに、アルベルは恐怖のようなものを感じた。
本能が危険だと警鐘を鳴らす。
しかし頭ではわかっているものの、体は思うように動かせず声も出せない。
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