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「ん……ここは…」

気がつくとアルベルは真っ暗な場所にいた。
まだボーっとする頭をフル回転させ、記憶を辿る。

「そうだ……確か工房で茶を飲んで……っ?」

辺りを見回し自分がいる部屋が工房だと確認する。
体を起こそうとした時、アルベルは自分の体の異変に気がついた。
一糸まとわぬ姿で腕は後ろ手に拘束されている。
腕を縛る縄を解こうともがくが、かなりきつめに縛られているのでなかなかうまくいかなかった。

アルベルの意識が戻ってから既に数分。
頭もだいぶすっきりしてきたので、刃物で縄を切ろうと立ち上がったその時だった。

「あれ?もう起きてるの?」
「フェイト…!」

工房に入ってきたフェイトを見て、物陰に体を隠しながらどういう事だと問い詰める。

「アルベルと遊ぼうかな〜と思ってさ」
「…遊ぶ?じゃあクリフの……」
「あぁ、あれ?嘘だよ、嘘」
「嘘…?ふ……ふざけるな!さっさと俺の服を返せ!」

悪びれる様子もなく嘘だと言い切ったフェイトに怒りがつのる。

「服は返さないよ。これから楽しい事するんだから。…ほら、もう出てきていいよ」

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