出会い
雪がちらつく1月のある日の早朝、とある高級マンションのエントランスに家具のように大きな荷物を持った数人の黒服の男達がいた。
その中の一人の男がオートロックのインターホンに部屋番号を入力し、返事を待つ。
するとすぐに若い男の声が返ってきた。
『はい』
「遊玩堂の黒田と申します。蘇我様、品物をお持ちしました」
『あぁ、入ってくれ』
部屋の主、蘇我の返事と同時に大きなガラスのドアが開く。
黒田と名乗った男は他の男達を引き連れ、足早に入って行った。
黒田達はエレベーターに乗り込み、最上階を目指す。
早朝という事もあり、エレベーターは一度も止まらず最上階に到着した。
静かな廊下に男達の足音だけが響く。
しばらく進み、蘇我の部屋の前で立ち止まった黒田はインターホンを押す。
「待っていた。さあ、入ってくれ」
出てきたのは若い青年で、予想よりもはるかに若かっ為黒田は少し驚いたが、すぐに表情を戻し失礼します、と部屋に入っていった。
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