Short×2+Story
短編未満とかネタメモとか。



「 レッド。 」


<傾向>
・中二時代の産物その二
・むっつりやんでる
・作者の頭の中ではBL
・下のと同じ人が同じようなこと喋ってるだけ
・実は作者の頭の中では人外
・己れ=おれ
・不可ない=いけない






触れては不可ない。目の前にはまだあどけなさを残す寝顔。涙の跡が残った、けれど安心仕切ったそれを見つめながら、カーマインはぎゅっと自らの手のひらを握りしめた。

(私は道具私は道具ワタシは…)

心の中で、生まれてこの方一度も忘れたことのない呪咀を吐く。傷つきながらも、それでもこの呪いを言い訳にできることにどこか安心している自分がいた。

(私は道具だから)

触れては不可ない。繰り返す。私は道具だから君を傷つけてしまうから、触れられないんだ。だから私のことで君があんな顔をすることはないんだ、もうそんな悲しそうな目で泣くことは。君は何も悪くない。責めるなら、己ではなくこの卑怯な私を。
どんなに語ったところで君には届かないだろう、気持ちを伝える術を言葉しか持たない私はしかし君の前でこんなことを嘯く権利も勇気もない。朝になればまたそ知らぬ顔で卑怯な私は君を呼ぶのだろう。きれいな涙も知らないふりをして。

こんな私を嫌ってくれ疎んでくれいっそその手で殺してくれ、己れの愛しい御主人様。


どうか、こんな醜い己れに笑いかけないで。








12.03.24 23:33  sato91go