Short×2+Story
短編未満とかネタメモとか。



「 すごく短い話 」


起承転結のれんしゅうをしようと思ったんです嘘じゃない。

※超短(200字程度)×2本
※二つ目は台本小説
※notBL






ツキ

「ツイてるなー」
嘘のようにからりと晴れた空を指差して男が笑う。私は取り合えずドアの鍵を回す、玄関から、道行く人々が傘をたたみ始めるのが見えた。
「さっきまであんなにどしゃ降りだったのに、ツイてるねおじょーさん」
「ええ、そうね」
確かに今日はついてるわ。息を吸い込むと、雨上がり独特の土の匂いがした。
「背後霊とかが、ね」
子供のように笑う、見覚えのない男。ばれちゃった、そう呟く半透明の身体に屋根から雫が落ちた。



薔薇薔薇

「薔薇100本くれ」
「……お断りします」
「おいこの花屋は客を選ぶのか」
「だって、また今日も白いタキシードで、赤い薔薇買って私に渡す気でしょうあんた……」
「何でわかった」
「それ今月に入って約50回目ですからもうさすがに」
「俺そんなに来てないぞ」
「……いや一日に二回は来てますよあんた」
「冗談はいいから薔薇よこせ」
「お断りします」
「なにゆえ」
「……お金」
「ん?」
「もうお金ないんじゃないんですか」
「うんまあ、ないといえばない……ああなんだそういうことか」
「……ッ!!!」
「よしわかった、後輩よ結婚しよう。そしてお前が家計を管理してくれ」
「お断りしますよバカァ!!」



12.07.14 23:40  sato91go