Short×2+Story
短編未満とかネタメモとか。



「 酸素 」


携帯より発掘されし厨二ポエム。
※厨二。
※安定の「お前何言ってんの」状態。






「前に進む意味ってなんだ、思い出に肩まで首まで脳まで浸って生きていたい、いつか消える幸せを掴もうと藻掻くくらいなら。痛いのは嫌いだ、アア、もう、痛い痛い痛い。過去にしか縋れない、そうなんだよ、私は未来にはいない」


血の海で京は泣いていた。人の涙の量程度でこの赤が薄まらないことも知っていた。それでもただ涙を流し続けている。血の海で京は嗤っていた。


「後ろを振り返る意味ってなんだ、思い出に足を取られて首を締められて眼が曇る。黒い感情はいつまでも消えねぇし、アア、もう、藻掻いた所で。死。死死死死死。先にしか希望はねぇ、ないんだよ、オレは未来にしかいねぇ」


血の海でトレアドルは吐き出した。人の涙の量程度でこの赤が薄まらないことも知っていた。それでもただ涙は流れ続けている。血の海でトレアドルは嗤っていた。



時計がうるさい夜だった。
カチカチと神経質な音とともに、過去も未来も今さえも、全てがない交ぜになってじんわり闇に溶けていった。黄色い花。それだけが只揺れている。
二人はどこにもいなかった。立ち上ぼる湯気の中、二人はいつまでも一人と一人のままで、いつしか流れる雫が望むままに息を止めた。それでも非道く肺が求めるので、仕方なく呼吸を始める事にした。



(一人が二人だったことを知る日は来るだろうか)




12.06.10 23:51  sato91go